新宿【王ろじ 】とんかつ発祥の地の肉は、サクサクで発狂の味
新宿 王ろじ
■東京都新宿区新宿3-17-21
■2022年4月18日
■80点
■とんかつ定食 1,900円
自分はトンカツに舌の上で溶ける脂の体験を求めている。
しかし、トンカツの極意は「溶けるような肉質」だけではなかった、、、
新宿免許更新センターの帰り、小雨が降る中、久しぶりの新宿ということで立ち寄った。
新宿三丁目駅からほど近くの伊勢丹の近くにある、大正10年に創業した老舗トンカツ店。もう100年近く続いているなんて、相当愛されているんだろうな。
日本で初めて先代が「とんかつ」という言葉をひらめいたというから、我が国の肉グルメに多大な影響あたえたお店だ。
老舗感と伝統が漂うお店の前につくと、お品書きの看板がある。
特にランチメニューと記載はないので、全日同じメニューのようだ。
中に入ると先客5人で半分ほどの入り。げんきな声で迎えてくれた女性スタッフさんが入り口の4人席に案内してくれた。
店内はすごくキレイというわけではないけど、大正の雰囲気が残っているかのような趣がある昔ながらの日本式空間。
とんかつ定食を注文して待つ。卓上のお品書きには13分揚げ時間がかかりますとある。
事前に分単位で待ち時間を知らせる店は初めてかもしれないと思いながら、店内の家訓などを眺めて待つこと13分ほどで着丼。
主役級のとろみ豚汁がうまい
とんかつよりもまず、豚汁のなんとも美味しそうな姿に目が釘になった。
これまでの豚汁とあきらかに雰囲気が違う。有名ラーメン店のつけ麺のつけ汁のような存在感に、漂う具のもつ旨味成分、温かい出汁。豚汁が一味違うメニューはそれだけで印象に残るから良い。
味も食べてすぐわかる、深い美味しさがかき混ぜられている豚汁だ。ベーコンと玉ねぎがほどよく絡まっている。とろみ具合もなかなか他店では作り出せない食感で2杯目もいけそうだ。
衣サクサクってこんなに美味しくなるの?!
そして主役のトンカツは長方形でなく楕円形タイプ。初めての楕円形トンカツに食欲も揚げられてくる。
まず塩もソースもつけずにそのままいただく。
サクサク・・・・!!
トンカツを食べてきた中でこれまでにない体験が口内で発生した。
こんな美味しいサクサクは初めてだ。肉は高級店のような溶けるような柔らかさでないのに、トータルの味わいでは同等だ。なんというかご飯のお焦げの美味しい部分を頂く感じというか。
これも楕円形トンカツだからこそできる芸当なのか。発狂しそうなほどに知らないトンカツの楽しみを知った。
その後、塩とソースをつけて食べてみたが、塩の方が合うかな。塩のほうがこのサクサクを消さずに楽しめる気がした。
ごはんを3分の1ほどおかわりして、豚汁も飲み干し完食。
名物「とん丼」も期待してしまう
新宿の名店にて新しいトンカツグルメの発見をした。
これまでトンカツにはとにかく「溶けるような脂身の食感」ばかり求めていた。しかしここで出会ったサクサクの美味しさ体験は、私的トンカツ価値観を変えてしまうほどのインパクトを残した。
次回はこの店の名物メニューの「とん丼」でまた新体験を楽しみたい。